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「お母様!お母様!
アヤメちゃんが来た!」 Valley-village先生は頓狂な声をあげて 奥の間へ消えたかと思うと戻ってきて 「アヤメちゃん!丁度良かった! この曲!伴奏してちょうだい!」 綾女をピアノの椅子に座らせる PR |
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http://bit.ly/pFUM3T
なにしろその家は変わっているのだ 古いアップライトピアノの上には ミロのヴィナスの胸像 頭上には、これまた なんとも暗い色調の静物画 果物の油絵が掛けられている 綾女はこの家で 徹底した聴覚訓練を受けたのだ |
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大木に巻きつくように
ぐるぐると張り巡らされた 螺旋階段を昇り切った樹上に 師の家はある 昔と変わらぬ青い扉 赤い表札には白い文字で Valley-village とある 鍵のかかっていない その扉を開けると Valley-village 先生は 十年一日のごとく 変わらぬ姿でニコニコと 綾女を出迎える |
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9-1は石を磨き、花を供える
「父上、無沙汰をしております・・・・ ・・・・・笑っておられるのでしょう? 又、色々やらかしておるなぁ・・と・・・・」 石は答えない 「綾女は父上の死から多くを学びました」 木漏れ日が石を弄ぶ 「決して父上の死を無駄には致しません」 |
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「ここまで来たからには・・・・」
9-1は道無き道 丈高き笹をかき分け進む ふと開けた草地に 苔むした石が並ぶ そのうちの一つの前に佇むと 綾女は語りかける 「父上・・・・」 |
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